PPC徹底攻略ガイド、『地域ターゲティング』についての続編。
本稿後半では『地域ターゲティング』の広告手法としての問題点と限界を考察する。
筆者はファイブフォー株式会社PPCストラテジストの石橋です。
さて、『地域ターゲティング』の2つのセグメントを理解したうえで、
『地域ターゲティング』の問題点を考えてみよう。
(『地域ターゲティング』の2つのセグメントについては前回のエントリを参照頂きたい)
『地域ターゲティング』では広告表示の主な決定要素として
が使われる。
しかし、前者に関しては、モバイルデータ通信の場合、
IPアドレス=地域
とはならない場合もある。
(たとえばVPNを利用していた場合、プロキシサーバーを使用している場合)
或いは、後者に関しては、
検索クエリ=特定地域
とはならない場合もある。
なぜならば、都道府県レベルでは重複しないが、
市区レベル、もっと言えば、町村レベルになれば、
同一の言葉が違った場所を指すケースは日本全国にいくらでもあるからである。
そして、最も重要なことが、
『GoogleAdWords』
『Yahoo!プロモーション広告』
共に、
という2つのセグメントをそれぞれ選択することが出来るが、
それが、媒体側から”推奨されていない”という点である。
の両方に広告を表示させる方法が、推奨されているのである。
(「枝葉末節にこだわって、肝心な根本を損なうことに繋がる」と言うべきなのか分からないが)
媒体側は明示してはいないが、つまるところ『地域ターゲティング』とは、
”IPアドレス”か”検索クエリ”か、
二者のいずれかで広告の表示対象を決定するのではなく、
クエリの履歴、閲覧しているドメイン、携帯端末のGPS情報などを二者に加えて
”複合的な要素”で判別し、広告の表示対象を決定する
という手法だということを暗に示しているのではないだろうか。
『地域ターゲティング』には
2つのセグメントがあり、それぞれを任意で選択することは出来る。
しかし、それぞれ単体で『地域ターゲティング』を行うには、前述したように
出稿側の意図に反する検索利用者に表示されるという問題がある。
この問題を解消するには、
(少なくとも意図に反する検索利用者に表示されることを最小化するには)
結局のところ、
の両方に広告を表示させ、複合的な要素で『地域ターゲティング』を行うしかない。
これが『地域ターゲティング』の限界である、と筆者は考える。
『地域ターゲティング』に限らず、アカウント設計をする上では媒体の機能を正しく理解しなければ、出稿側の意図した広告戦略を立てることは出来ない。
セグメントを限定した顧客に広告を表示することで、
ROI(投資収益率、投下資本利益率)を高めることがターゲティングの最大の目的である。
(今回テーマとしたターゲティングは”地域”というセグメント)
筆者が『地域ターゲティング』をアカウント構築に利用する場合には、
”手段の一部として”最大限利用することにしている。
ただし『地域ターゲティング』を利用する場合、
「『地域ターゲティング』は完璧ではなく、あくまで補助的な役割だ」ということを、
予めクライアント様に説明し、共通認識としておくことが重要である。
ファイブフォー株式会社 PPCストラテジスト 石橋功太